ファッションモデルの仕事内容はマネキン
私は高校生の頃から約10年、モデルとして働いておりました。(現在30歳の男性)
モデルと一言で言っても様々なジャンルがあり、ファッションモデルや広告モデル、雑誌のみで露出するモデルさんもいます。

 

私の場合、最初にモデルになろうと思い立った時はまだ中学生でした。
モデル事務所10社程度に履歴書と写真を送り、後日連絡を頂けた事務所には自分から出向いていました。
そして、所属するかどうかをギャラの取り分などの細かな話を聞いた上で判断していまし。

 

どの仕事を始めるにも最初は右も左もわからないのは当然のことで、自分に提示された契約内容が妥当なものなのかどうかも判断できずに悩みました。
また、「若い時にしか需要が無く一生それでは働いていけないのかな?」なんてことも考えました。

 

親からは水商売ではなくもっと安定した職業を目指すよう大反対もされました。
それでもどこまでやれるか挑戦したかった私は、モデルになるため中学卒業後に田舎の実家を出て一人暮らしを始めました。

 

 

ファッションモデルはオーディションに受かるのが難しい

ファッションモデルはオーディションに受かるのが難しい
事務所に所属することが決定すると、その後は基本的に事務所からオーディションの開催連絡がくるのを待つことになります。
しかし、オーディションの開催がクライアントから事務所に伝えられるのが基本的に前日や2日前になります。

 

そのため、モデルである私達は四六時中予定を空けておかなければなりません。そこで発生する問題が、アルバイトが出来ないことです。

 

モデル事務所に所属したからと言って給料を頂けるわけではなく、オーディションに合格して初めてギャラという形でお金が支払われます。

 

オーディションに受からない限りは収入がないのです。そのためアルバイトをしたいのですが、オーディションの予定が入るのは前日。
アルバイトでもシフト制の場合は他の人に迷惑をかけてしまうので、働くことができません。 

 

そんなことも知らずに飛び込んだ自分が悪いのですが、収入がなかったので生活はとても貧しいものでした。
また、オーディション自体は週に5~10件はあるので毎週1件仕事を取れば生活は満足にできます。

あくまでも理論上の話で、実際はなかなかオーデションに受かりません!周りは1年程度でモデル業自体を辞めていく方がたくさんいました。

 

世間のイメージとは全く違ったファッションモデル業界の実態!

世間のイメージとは全く違ったファッションモデル業界の実態!
オーディションに合格するためにはいくつかコツがあります。
辛い時期を乗り越えてオーディションに合格できるようになると、そこからは案外コンスタントに仕事を獲得できるようになります。

 

しかし、ファッションモデルの仕事というのは基本的に朝から晩まで商品を着て撮影の繰り返しなので、とても単純な仕事です。

 

しかも、自分が宣伝した商品の需要が増え商品自体が評価されても、自分が評価されていることには繋がりません。
さらに言えば自分自身が仮に評価されていたとしても、その事実すら知ることが出来ないのです。

 

なぜならクライアントさんや現場のスタッフさんにお会いするのは撮影の当日のみです。
そのため、ほとんどの場合、その後は会うことがないので、商品の売れ行きなど聞く機会がありません。

 

モデルの撮影と言えば、「お洒落なスタジオでカメラマンやクライアントと写真について議論をしたり、どう写れば美しく見えるのか、格好よく見えるのかなんてことをメイクやスタイリストと話したり・・・」
モデルになるまで私は勝手にそんな風景を想像していました。

 

でも実際は、そんなドラマのような状況はまずありません。そもそも現場にいる方は皆さんそれぞれの業種のプロなので、モデルが撮影についての意見を求められることはありません。
現場は良い作品を作るために皆さん必死で、笑顔などほとんどありません。

 

それにも関わらずモデルは、撮影をする瞬間だけ参加するので、それ以外の長い待ち時間はやることがなく退屈なのです。
モデルはただ指示通りに動くマネキンということになってしまいます。

 

ファッションモデルは過酷な体重管理が必要!

ファッションモデルは過酷な体重管理が必要!
ファッションモデルとはマネキンですので当然太ることは許されません。食事は基本的にダイエット食やサラダやりんごで、常にお腹は空いている状態です。
脂質など太る要素となるものは一切食べることができません。体を鍛えるため、事務所が契約しているジムに週に3日は通いひたすら鍛えます。

 

また、撮影の前日は1時間以上お風呂でお湯に浸かり浮腫みを取り、お風呂上りも浮腫んでしまうといけないのでお酒や塩分の多いものも禁止です。

オーディションに合格できるようになると、週に5日は撮影がありますので、撮影の前日に塩分やお酒が飲めないとなると・・・365日お酒が飲めないのです!

 

また、オーディションの時と姿形が少しでも変わってしまうと責任問題にもなり兼ねないので、髪を切るのも染めるのも各方面の許可が必要なため一苦労です。

 

メンズモデルも日焼けはできないので、あまり昼間は外にでられません。
なぜこんな想いをしてモデルをやっているかわからなくなることもありました。

 

ファッションモデルにはコミュニケーション能力が重要

ファッションモデルにはコミュニケーション能力が重要
モデルは個人事業主であり、事務所には所属という契約で働くことになります。
基本的には事務所とは仕事の件についてのやり取りをするだけなので、割と孤独な仕事です。

 

また、事務所が提案してくるオーディションは仕事の質や量として満足できるものではなく、自分自身で仕事を獲得することも重要になります。

 

自分で仕事を獲得と言ってもそう簡単なことではありません。
例えば撮影現場で単発の仕事をしたとしても、その現場にいるスタッフの方達とはそれっきりになってしまいます。

 

しかし、それでは次の仕事に繋がらないので、次の仕事に繋げていくためには現場の方達と仲良くなり、その後の関係を築いていけるようにコミュニケーションをとります。

 

ただ、これもとても大変なことで、仲良くなって後日飲みに行ったりすることはできても、それがなかなか仕事には繋がらず大いに悩みました。

 

私は、明るく誰にでも溶け込めるようなタイプではなかったので、コミュニケーション能力の低さを改善しなければならなかったのです。
極度の人見知りも重なり、自分から積極的に声をかけることも全くできていませんでした。

 

話も面白くないし、笑わせることも得意ではないのですが、とにかく笑顔でいることだけは心がけていました。
仮に自分では話しかけることができなくても、現場の誰かが話しかけてくれた時に積極的に会話を膨らまし、人間関係を築いていきました。

 

その努力を続けることで、自分自身で仕事を獲得することもできるようになりましたが、そうなるまでは数年かかりました・・・。

 

ファッションモデルを引退するべきか?

この仕事の経歴が10年になった時に引退を考えました。
私が目標としていたモデルとしての位置まで辿り着くことができたのが大きなきっかけでした。
これからは事務所を経営する側になってみようかと思ったり、ファッションに携わる仕事に就きたいとも考えました。

 

しかし、10年続けてきた仕事を辞めて転職することに、恐怖と不安を感じていました。
大学にも進学していない、一般社会の常識も知らないような状況で転職することは相当な覚悟が必要でした。

 

ファッションモデルからの転職は厳しい

就職活動では経歴が重視されるので、私の経歴では採用されるまでに数十社面接することになりました。結局、ファッション業界からは離れ、一般企業への就職をすることになりました。

 

また、就職後も社会人としての礼儀や組織の中で生活する苦労をしましたし、今もなお苦労することばかりです。
始めは名刺交換のやり方すら分からず、クライアントへのメールの送り方も分からない・・・

 

上司への敬語の使い方もぎこちなくなっていたりと、今考えても恐ろしい世間知らずでした。
現在も会社では叱られることが多いですが、ひとつひとつ教えて頂いたことを忘れないように日々精進しています。

 

まとめ

ファッションモデルは雑誌やテレビで見る華やかさのウラには、地道な努力を続けてプライベートも犠牲にしないといけない過酷な職業ですね。

 

ファッションモデル業界は次から次に新しい人材が投入されるので、何も努力しないとあっという間に仕事はなくなります。
結果、仕事がないと安定した収入がなくなり、アルバイトすらできない状況に陥ります。

 

また、一般企業のような社会人基礎力を高める研修もないので、社会人として当たり前のことを学ばないまま年齢を重ねた結果、転職活動は相当厳しい状況になります。

 

そんな厳しい業界ではありますが、誰だって注目されたい思考が少なからずあるはずです。
若者に夢を与える職業の1つではありますので、今後、ファッションモデルを目指される方は努力を怠らず成功することをお祈りしています。

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